【近藤さんのコラム】キャリアコラム全5回シリーズ ~第1回『育てる』~
育てるは能動的なのか。
「育てられる」が受動的だとしたら、「育てる」とは能動的なのでしょうか。
人は、生まれたその日から、育てられ、育っていきます。心も身体も備わるすべてが育ち、成長します。
家族として、その家庭の習慣であったり、感性であったりの中で、保護者は、家庭で違和感のないようにしつけ、育てていきます。
私には息子と娘、2人の子がいます。2人とも社会人4年目のオトナです。
息子だけだった3年間は、確かに息子だけの特別期間だったかもしれませんが、娘が生まれてから、まったく同じ家庭環境で、同じものを食べ、同じようにしつけ、同じお弁当を持たせ、差別なく、同じように同じように愛情を注いで育ててきました。
が、しかし、似ていても違うのです。ものの考え方や、見方、やり方、向き合い方・・・。
個性ですから当然だと思います。
うまくいかなくてあたりまえ
各家庭で、同じものを食べ、同じように育てられた兄弟姉妹だってそれぞれ個性を発揮するのです。
ですから、企業内で従業員を育成するにあたって、揃わないことや、個性がぶつかり合うことは当然のことです。うまくいかなくてあたりまえだから、育てる側も必死になる必要はないと思っています。
さまざまな考え方がありますから、「そんなことはない」というご意見もおありでしょうけれども、私は2人の子どもを育ててきた経験から、いつもそのような心持でいます。
うまくいかせたいのは、育てたいエゴなのではないかとも思っています。
自ら育てる
育ててもらうと、いつからか、人は自ら育っていきます。自身の考えかたであったり、ものの見方であったり、感情や表現を育てていきます。
人(従業員)を育てることは、自ら育っている力に、エッセンスを与えることなのではないでしょうか。
トンカツに、がっつりソースをかけて、豚肉の素材の味そのものが何だったのかわからなくなるようなことではなく、家系ラーメンのスープに少しだけニンニクを加えたり、豆板醤を好みで加えたり、生姜を加減したりという味変を楽しむという感覚に近いと思います。
味変をすることで、スープそのものを活かし、それでいて塩梅よく好みの状態を保つことは、双方に穏便なメリットがあると、考えます。
能動的は自律的
もしも自律型人材を育てたいのであれば、育てる側もまた、同時に自分自身を育てることだと考えます。
育てる=能動的=自律的(主体性) そんなキーワードを意識して育てるといいかもしれません。
特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会(JCDA)
近藤 佳保里
TOKYO Women’s キャリア・サポーターとは
都内の企業で管理職として働くメンバーが参加し、女性ならではの視点や、発想を活かした取り組みやマネジメント、悩みや不安をどう解消しているか等、管理職としての日常を発信していきます。是非キャリア・サポーターの日常をのぞいて、あなた自身のキャリア形成のヒントにしてみてください。