【近藤さんのコラム】どんな人と一緒に働きたいか
私の業務のひとつは、当方の受託先で大学生のキャリアに関わるキャリアカウンセラー(CDA*)の統括です。
*日本キャリア開発協会が認定しているキャリアカウンセラー資格「キャリア・デベロップメント・アドバイザー」の略。
大学で業務をするキャリアカウンセラー(CDA)の皆様の情報交換の場として、毎月、ミーティングを開催しています。1月開催のミーティングは、ゲストに、JCDA会員でいらっしゃる大手企業の人事所属の方を迎え、「人事目線 ES(エントリーシート)の見方、面接で見るポイント」をテーマに、お話をしていただき、グループディスカッションを経て、質疑応答の時間としました。40名を超えるキャリアカウンセラーが参加し、大変有意義な場となりました。
その中で、キャリアカウンセラーから企業採用担当者に「定員に対して、選考で、どちらの学生を採用するか、どうしても迷った場合、何を基準に決定されますか」という質問がありました。それに対して、次のように回答をいただきました。
「最終的に、部門長や、現場の担当者に、①この人と一緒に働きたいか、②職場で育てられるか、③チームとして成り立つかをとことん尋ねて決定する」
それをお聞きし、キャリアカウンセラー一同が大変納得していました。
私も採用業務をしております。
私がおこなっている面接では、雑談から入りまして、フランクな雰囲気を作りながら、その方らしさや、その方特有の言い回し、聞く側に与える雰囲気、思考、そして、それらの会話をしながら、その方が現場に入って業務をされる姿を想像しています。あの担当者や、同じ担当とうまくコミュニケーションを取りながらできる人だろうか、業務をするときに、どのような態度で臨まれるだろうかと、イメージを作っていきます。もちろん、肝心の業務の知識を得ていること、どれだけ勉強意欲があるか、その人自身の思いを、ご自身の言葉で語っていただきます。
①この人と一緒に働きたいか
②職場で育てられるか
③チームとして成り立つか
採用する立場として、備えるべき視点です。
働く労働者の立場として、日々の業務の中で、持つべき視点に変換すると、
①この人と一緒に働きたいか
②職場で成長できるか
③チームとして意識をもって業務に取り組めるか
このようになります。
私は、採用する側でもあり、管理する側でもありますが、同時に、労働者でもありますから、多角的に考えた場合、
①この人と一緒に働きたいか は、どの立場でも考える視点であると思います。
普段、業務をしていて、「こんな人がグループにいればいいな」と思うときは、不足しているときです。チームや自身に不足していることを補ってくれるような、またそれ以上をこなしてくれるような、そんな人を求めます。不足だと思うような場面がない場合、他社と関わる中で、理想的なチームワークや、役割の行動の仕方から、こんな人と一緒に働くことで、自身が成長し、会社も成長するのではないかとイメージを膨らますことができ、具体的なプロジェクトの始動につながるきっかけになります。そんななかで、養うべきは、人を見る目や感覚、そして、自身の価値観や自己概念に気づくことではないかと思っています。
また、このように書きながら、私はそんな風に思っていただけるような人材であろうかと、ふと反省しています。
そして、こんな人と一緒に働いていたくないと思う人と一緒に働かなければならない現実もあります。しかしながら、その現実は変化していく可能性もあります。そのため、期待を寄せつつ、焦燥感を捨て、自身の在りたい姿を常に描いて、不足を補っては前へ前へと進む力を蓄え、自分自身の力で、自分の身体を引っ張ること。このイメージは、幼き0歳7か月だった息子が、家じゅうでしていた「ずりばい」ですね。アレです。ほふく前進のような、そんなスタイルです。前身ごろを畳にこすり付けていくもんだから、どの服もこの服も前身ごろが畳のい草まみれで。しかも、うちの息子の場合、なかなかの体格だったもので、両腕を同時に出して、脚を使わず、体を引き寄せるなんとも華麗なスタイルで。い草まみれになりながら、誇らしげに「ほへほへ・・・ほへほへ・・・」と笑いながら進んでいました。あの感じは、ただただ進んでいくことの楽しさ、行動範囲が広がる楽しさ、視野が広くなる楽しさ、新しい領域へ踏み込んでいくワクワク感、それは、私たちオトナが忘れている感覚かもしれません。
3月3日はお節句ですね。
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA) https://www.mmi-sc.co.jp/
TOKYO Women’s キャリア・サポーターとは
都内の企業で管理職として働くメンバーが参加し、女性ならではの視点や、発想を活かした取り組みやマネジメント、悩みや不安をどう解消しているか等、管理職としての日常を発信していきます。是非キャリア・サポーターの日常をのぞいて、あなた自身のキャリア形成のヒントにしてみてください。